甘酒には、米麹(こめこうじ)からつくるものと酒粕(さけかす)からつくるものの2種類があります。アルコールがダメな妊娠中や授乳中の方でも飲むことができるのは米麹の方です。
「でも、本当に米麹なら大丈夫なの?」
って方も納得できるように、米麹の甘酒を飲んでも大丈夫な理由を詳しく解説します。
米麹と酒粕の違いとは
米麹甘酒の製造方法と成分
米麹甘酒はお米と麹菌の力でつくられます。
1. お米に水を吸わせる。
2. お米を蒸し上げる。
3. 蒸したお米に麹菌をふりかける。
4. 米麹が完成する。
5. 米麹と蒸したお米を合わせて糖化発酵させる。
糖化発酵とはお米のでんぷん質をブドウ糖に変えるはたらきです。このように、米麹からつくられる甘酒には、アルコールが入る・発生する工程を含みません。
アルコール0%の飲み物として、安心して飲むことができます。
ちなみに、糖化発酵によってお米にはもともとなかった成分がつくられて栄養たっぷりな甘酒が出来上がります。成分の数では400種類くらい増えるので、麹菌の力ってすごいですね。
酒粕甘酒の製造方法と成分
酒粕甘酒は、酒粕と水を混ぜて加熱したところに砂糖と塩で味を整えてつくります。
酒粕は日本酒などのもろみを絞ったあとに残るもので、アルコールが約8%程度残っているものもあります。(日本食品標準成分表、調味料及び香辛料類http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/06/22/1365343_1-0217r10.pdf)
そのため、酒粕甘酒にはアルコールが残ってしまいます。
薄めたり加熱して飛ばすことで、飲んでも問題のないレベルにまですることは可能ですが、安全をとって飲まないほうがいいですね。
酒粕甘酒には酒粕甘酒のいいところがありますので、アルコールが飲めるようになったら是非試してみてください。
米麹と酒粕甘酒の判別方法は?
妊婦さんNGの酒粕甘酒ですが、見た目はどちらも変わりません。酒粕にはアルコールの風味が残っていることが多いですが、それは気化したアルコールを吸っていることになるので、オススメしない確認方法です。
見た目での判別は困難なので、お店やイベントで飲む機会があったら、つくった人に直接聞くしかありません。
スーパーや自動販売機で売られている甘酒の中には、酒粕と米麹とをブレンドしている商品があります。アルコール分が1%未満になっていれば清涼飲料水(ソフトドリンク)として売られているので、注意が必要です。
成分表示を見るだけでなく、「お酒に弱い方や妊娠・授乳長の方はご注意ください」といった表記がないか確認しましょう。
妊娠中に米麹の甘酒を飲むメリット
酒粕甘酒はNGですが、アルコール0%の米麹甘酒は妊婦さんにとってもうれしい成分が含まれています。
栄養補給
甘酒にはビタミンB群、必須アミノ酸、ブドウ糖などのたくさんの栄養素が含まれています。つわりなどで食事が偏ってしまいがちな時期には、一杯でたくさんの栄養を補給できる米麹甘酒はオススメのドリンクです。
ニオイが気になる方は、冷蔵庫で冷やしたりフルーツと一緒にとったりすると飲みやすくなります。
便秘対策
妊娠中は体調の変化や圧迫によって便秘になりやすいといわれています。甘酒にはオリゴ糖や食物繊維といった腸内環境を整えてくれる成分が入っています。
悩みにうれしい効果が期待できそうです。
美髪・美肌効果
赤ちゃんに栄養をどんどん送るため、自分の分が不足しがちになります。特に髪や肌には現れやすいです。
甘酒には代謝を促してくれるビタミンB群や肌や髪の材料となるアミノ酸が豊富に含まれているため、不足すると肌荒れや抜け毛の原因となってしまうような栄養を補給することができます。
甘酒を飲む量
甘酒はそれなりにカロリーのある飲み物です。商品によって多少前後しますが、100mlで70~80kcalくらいです。
飲みすぎは肥満の原因になるので禁物ですが、朝昼晩とコップ1杯ずつくらいは全然問題ありません。妊娠中・授乳中は食生活もガラっとかわるでしょうから、甘酒をピンポイントで気にするのではなく、全体的な食生活でバランスをとることが大切ですね。
不安な方は担当のお医者さんに聞いてみるのがベストです。あなたの体重や食生活などを考えて、いい回答を得られると思います。
妊娠・授乳中のオススメの飲み方
甘酒+ミルク
妊娠中にはお腹の赤ちゃんに栄養を補給するため、不足しがちな栄養素を意識的に摂取する必要があります。
日本人が不足しがちな栄養素のひとつがカルシウムです。
甘酒は牛乳との相性もいいため、甘酒を牛乳で割って飲むことで豊富な栄養素とカルシウムを一緒に飲むことができます。
甘酒+フルーツ
さっぱりしたものが飲みたい時にオススメなのが、甘酒とフルーツの組み合わせです。甘酒というと、冬にあったかいものを飲むイメージを持つ方が多いと思いますが、実は冷やしても結構おいしいんです。
いちごなどのフルーツとの相性も良く、さっぱりした味わいを楽しみながら、フルーツのビタミンと甘酒の栄養をばっちりとることができます。
まとめ
妊娠中や授乳中でも飲める米麹甘酒とNGな酒粕甘酒についてまとめました。
米麹甘酒はアルコール0%ですが、市販品の中には酒粕がブレンドされているものもあるので注意してください。
酒粕甘酒にだけ気をつければ、米麹甘酒は妊婦さんにとって嬉しい成分がたくさん含まれていますし、アレンジメニューで不足しがちな栄養素を補うこともできます。
甘酒はサプリメントとは違って、自然由来の栄養補給手段です。甘酒を飲む習慣をもってみてはいかがですか?
コメントを残す