暑い日が続くと、子どもの熱中症が心配になりますよね。年間で5万人以上が救急搬送されているというデータもあります。
子どもがある程度大きくなれば、喉が渇いたタイミングで水分補給してくれますが、幼児ではそうはいきません。
親が気にしながら、適切なタイミングで適切な水分補給をしてあげなければいけません。大変なことです。
この記事では、「幼児の水分補給に何をあげたらいいの?」という方に、甘酒もいいよ!ってことをお伝えしたいと思います。
甘酒というと、初詣で振るまわれたりすることからなんとなく冬の飲み物のイメージがあるかと思います。
でも、昔の人は夏に飲んで、栄養補給・水分補給をしていたといわれています。俳句では「甘酒」は夏の季語になっているくらいですからね。
甘酒を夏に飲むことは、実はとても合理的なことなんです。
甘酒に含まれる熱中症対策成分
熱中症が起きてしまう原因は、汗によって体内の塩分や水分が流れ出てしまい、血液中のミネラルと水分のバランスが崩れてしまうことが一因です。
そのため、熱中症を防ぐためにはミネラルや水分をしっかり補給してあげなければいけません。
また、体力が落ちているときには、熱中症になりやすくなるため、バランスのよい栄養補給も大切です。
甘酒には、熱中症対策となる成分が大きく分けて3つ含まれています。
・ミネラル
・アミノ酸
・ビタミンB群
ミネラル
ミネラルが不足してくると熱中症になったときに熱けいれんを起こします。血液中の水分とミネラルのバランスが崩れてしまうためです。
甘酒にはミネラルとして、ナトリウムが60mg含まれています(100mlあたり)。
これはスポーツドリンクと同じくらいの値ですし、厚労省の熱中症対策指針で推奨されているナトリウム濃度(40〜80mg/100ml)にもあてはまっています。
アミノ酸
アミノ酸が配合されているサプリメントは、マラソン選手や登山愛好家に人気で、疲労回復を期待して飲まれています。
熱中症は体調の影響も受けやすく、疲れがたまっているときは危険です。
アミノ酸をとりつつカラダの調子を整えておくことは、熱中症対策にも有効です。
ビタミン
甘酒にはビタミンB群も豊富です。ビタミンB群は、代謝ビタミンとも呼ばれており、カラダの中でエネルギーをつくる反応をサポートするはたらきがあります。
ビタミンB群が不足していると、代謝効率が下がり疲労物質である乳酸がたまって疲れやすくなります。食欲不振になってしまうと悪循環にハマってしまうリスクがあります。
これはいわゆる夏バテというやつですが、お子さんが夏になってからご飯をしっかり食べていなかったら気にしてあげた方がよいでしょう。
ビタミンB群が不足して夏バテにならないようにしてあげることは、熱中症対策になります。
甘酒が幼児の熱中症対策にオススメな理由
「熱中症対策ならスポーツドリンクで十分」
これは確かに正しいんですが、スポーツドリンクには砂糖がたくさん添加されています。糖分はカラダを動かすために必要不可欠だから入っているんですが、気になる親御さんは多いと思います。
甘酒にも糖分は含まれています。濃度としてはスポーツドリンクよりも高いくらいです。でも、甘酒の糖分はお米のデンプンから分解してつくられた自然な糖分(ブドウ糖)です。
自然な甘みで水分と栄養補給ができるという点で、スポーツドリンクよりも甘酒がオススメです。
幼児に飲ませてはいけない甘酒に注意
甘酒には米麹(こめこうじ)からつくられる米麹甘酒と、酒粕(さけかす)からつくられる酒粕甘酒の2種類があります。
酒粕甘酒は日本酒を絞ったときにでてくる酒粕を使っているため、アルコールが含まれています。
そのため、酒粕が含まれている甘酒は幼児に飲ませてはいけません。要注意です。
オススメの飲ませ方
幼児の熱中症対策としての甘酒の飲ませ方は、次の2つのポイントが大切です。
* 暑い日や外で遊ぶ日の朝に飲ませる。
* 常温で飲ませる。
朝はどうしても時間がなくて、子どもがご飯を食べきるまで待てないことがあります。保育士さんからも、最近は朝ごはんを食べないお子さんが増えていると聞きました。
でも朝ごはんをしっかり食べないのは熱中症対策にとってよくないこと。
そこで、朝に甘酒を飲んでもらい栄養補給をしてもらうことをオススメします。親としても「ご飯食べてなくて大丈夫かな…?」という心配がいくらか楽になります。
もうひとつのポイントは、常温で飲ませることです。
夏には冷えた甘酒が美味しいですが、冷たい飲み物は胃の負担になります。常温保存できるパックの甘酒がおすすめです。
まとめ
幼児の熱中症対策として甘酒がオススメな理由と飲ませ方のポイントをまとめました。
甘酒の熱中症対策成分
* ミネラル
* アミノ酸
* ビタミンB群
オススメの飲ませ方
* アルコールが0%である米麹甘酒を選ぶ
* 暑い日や外で遊ぶ日の朝に飲ませる
* 常温で飲ませる
* 常温保存できるパック甘酒がオススメ
甘酒は自然な甘みがあって素直に飲んでくれます。お米のデンプンが分解されてできた自然な糖質ですが、何事も飲ませすぎはNGなので、わが家は1日1本くらいにとどめています。
マルコメ甘酒のホームページによれば、10ヶ月くらいから飲ませることができるみたいです。味の濃さが気になる方は、2〜3倍に薄めてもいいですね。
参考文献:杏林予防医学研究所 編「スポーツコンディショニング塾」
「予防医学ニュース No.269」
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